ウェア編

初心者必見!山歩き服装の4つの役目とは?|レイヤリング基礎知識

もう迷わない!山歩きに必要なレイヤリング(重ね着)

山歩きでは、レイヤリング、つまり衣服の重ね着は、非常に重要です。理由は以下の通りです。

  1. 体温調節:気温や身体活動の度合いによって体温が変動します。レイヤリングにより、状況に応じて衣服を脱いだり着たりして、体温を適切に保つことができます。
  2. 気候変化への対応:山の天候は変わりやすく、朝晩の寒暖の差も大きいものです。レイヤリングによって、これらの急激な気候の変化に柔軟に対応できます。
  3. 保護:外層の衣服は風や雨などの外的要素から保護し、内層の衣服は体からの熱を保持します。また、擦り傷や虫刺され、紫外線から肌を守ります。
  4. 快適性:汗をかいたとき、吸湿発散性のある素材の内層は肌を乾燥させ、快適を保ちます。また、重ね着によって風通しを良くすることもできます。

レイヤリングの具体的な方法を以下に説明します。

基本的には3層の衣服を組み合わせ、それぞれが特定の役割を果たすようにします。

ベースレイヤー(吸湿発散層):
目的: 体から発生した汗を速やかに吸収し、肌を乾燥させ、体温の冷却を防ぐ。
素材: 合成繊維(ポリエステル、ポリプロピレン)やメリノウールが好ましい。これらは湿気を外に逃がし速乾性が高い。
避けるべき素材: コットンは避ける。湿気を保持し乾燥が遅いため、体温の低下を招く。

選ぶポイント

  • 皮膚に直接触れるため、肌触りが良く、アレルギー反応を起こしにくい素材を選ぶ。
  • 体から発生する汗を素早く外に逃してくれる素材を選ぶ。メリノウールやポリエステルなどが望ましい。
  • フィット感を確認し、厳しい運動でも動きやすく、かつ身体との間にほんの少しの空間を持たせる程度で選ぶ。

ミッドレイヤー(断熱層):
目的: 体の生み出す熱を閉じ込めて保温する。
素材: フリース、ダウンジャケット、合成繊維のインサレーション材。これらは空気を捕らえ体温を利用して温度を保つ。
厚さの選択: 気温や活動に応じて厚さを選ぶ。寒い環境ではより厚い材質、軽い活動では薄手のものを選ぶ。

選ぶポイント

  • 保温性を重視して選ぶ。フリース、軽量なウール、ダウン、合成繊維のインサレーションが良い選択肢。
  • 活動量に応じて必要な断熱性を持つものを選ぶ。極端な寒さや動かない状況では、より多くの熱を保てる厚手のものが適切。
  • 重ね着を想定してややゆとりのあるサイズを選ぶが、あまりにも大きすぎると動きにくくなる。

アウターレイヤー(防水・防風層):
目的: 雨、雪、風から保護し、ミッドレイヤーで保たれた暖かさが逃げないようにする。
素材: 防水透湿素材(例: ゴアテックス)または撥水加工されたソフトシェル。これらは内部の湿気は外に逃し、外部の水分は中に入らない。
特徴: フード、防水ジッパー、通気のためのアンダーアームジッパー等の機能も備えると良い。

選ぶポイント

  • 完全防水か、耐水性がある程度高いものを選ぶが、通気性も考慮する。ゴアテックスなどの防水透湿素材が理想。
  • 動きやすさも重要なので、柔軟性があり、かつラフな動きに耐えられる耐久性があるものが良い。
  • フード付きで、しっかりとしたカフスの調整が可能なものが、風雨から守ってくれる。

これらの基本的な層に加えて、アクセサリーや追加のアイテムも重要です。手袋、帽子、ネックゲイターなどは、寒冷な環境や特定の条件下で重要な保護を提供します。サングラスやサンハットはより暖かい状況や高山病を予防するのに役立つアクセサリです。

すべての衣類は、着脱が簡単で、重ね着したときに制限なく動けることが重要です。

また、色やデザインも個人の好みに合わせて選ぶ楽しみがありますが、機能性を優先することが最も重要です。緊急時には視認性が高い色の衣料が有利ですので、明るい色を選ぶのも一つのポイントとなります。

-ウェア編